テニスの両手バックハンドストロークの基本的な打ち方【プロが動画で解説】

2023-06-03更新
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テニスには利き手側にきたボールを打つフォアハンドと逆側のバックハンドがありますが、バックハンドを苦手に思う方が多いのではないでしょうか。

苦手意識を克服できれば、プレイの質は必ず上がります。レベルアップのためにも、バックハンドの打ち方をもう一度勉強しましょう!

なお、右利きの両手バックハンドの場合で説明していますので、左利きの方は左右逆で考えてみてください。

【前編】

【後編】

解説
土居 諒太
公益財団法人日本テニス協会公認コーチ
亜細亜大学卒。インターハイシングルスベスト16 、インカレダブルスベスト4。Tecnifibre契約。志津テニスクラブ・東洋学園大学男子テニス部でコーチを担当。世界で活躍する土居美咲選手の兄としても有名。

テニスにおけるバックハンドの役割・重要性

苦手なバックハンドを避けるため、あるいは得意なフォアハンドで確実に決めるため、回り込んでフォアハンドで打つ場面も多々あるでしょう。実際、プロ選手でも7割以上がフォアハンドで打っているのだそうです。

それならフォアハンドを極めればいいかというと、そういうわけにもいきません。バックハンドは、一般的に苦手なものという共通認識のようなものがあるため、レベルが高くなればなるほど、試合では絶対に狙われます。

フォアハンドで攻めるためにも、バックハンドでは欲張って良いボールを打とうとせず、ミスをしないことがとても大事です。バック側にボールが来たら、ラケットの真ん中に当てて返す。やるべきことはそれだけなのです!

基本的なことをやると、最初のうちは思うようにいきません。しかし、基本を習得すると、その上に技術が乗って、さらに上達できます。そのため、基本的な体の使い方はしっかりと覚えましょう!

バックハンドの基本的な打ち方:ユニットターン

それでは、バックハンドを打つ時のコツ・ポイントを解説していきます。一度にたくさん意識するのは難しいですが、しっかりとポイントを押さえましょう!

フォアハンドと同じくユニットターンが重要

バックハンドを上手く打つには、「ユニットターン」が重要です。ただし、バックハンドなりの注意事項があります。

ユニットターンとは

上半身と下半身を一緒に捻る動作を「ユニットターン」といいます。下半身(お尻)を捻ると同時に、肩を入れてボールを打つ準備をします。こうすることで、腕だけではなく体全体のパワーを使えるので、より強力で正確なショットを打つことができるのです。

ここでは、特にインパクトではなく準備段階で、テイクバックをする時に、手だけでなく体全体で回すことをユニットターンと呼んでいます。

なお、ユニットターンについては、フォアハンドストロークの打ち方でも詳しく紹介しているので、ぜひご覧ください!

利き足ではないことが多いために難しいが、溜めを作る

バックハンドが難しいと感じる理由の一つに、バックハンドを打つときに踏ん張る足が利き足でないということがあります。利き手が右の場合、利き足も右の人が多いようです。

そのため、利き足である右足を軸にするフォアハンドと比べて、利き足とは逆の足を軸にするバックハンドはフラフラして踏ん張りにくいのです。

違和感があるかもしれませんが、しっかりと足の付け根を落としこむことが重要です!フォアハンドの場合は足の付け根をしっかり落として利き足に溜めを作るようにしますが、バックハンドの利き足は「柔らかい」イメージでスッと落ちるくらいでも構いません。

ターンしてから動く

ユニットターンをして利き足をスッと落としたら、その状態でボールのところまで動いていきます。ターンしてから動く、という順番で行うことが重要なので、しっかりと体に染み込ませましょう。

ボールとの距離や形を覚えておく

ボールを打つときのフォームで重要なのは、ボールとの距離です。ボールと体がどれくらい離れているのか意識してみましょう。なお、ベストな距離は人それぞれですので、自分に合った距離やフォームを見つけましょう。

三角形を作る=適切な距離を取る

ボールとの適切な距離の目安として、ラケットを持つ両腕とラケットのグリップで三角形を作ります。この三角形を崩さないようにラケットを振ると、振り抜きが良くなり、いいフォームで打てるのです。

ちなみに腕が縮こまってボールと体が近すぎる(三角形ではなく五角形になる)と、力が伝わりにくくなります。

一番力が入る打点を覚えておく

強力かつ正確なショットを打つには、一番力が入る位置でボールを捉えることです。

先ほど説明した両腕とラケットでできた三角形の少し前の位置、別の表現をすると踏み込んでいる足(前に出しているほう)より少し前の位置にラケット面がきたときに力が入りやすいのです。

ただし、人それぞれですのでいろいろな位置を試してみましょう。そして、一番力が入る打点を覚えておいてください。

ユニットターン時、その形になるように準備しておく

一番力が入る打点を覚えたら、その形をキープしつつユニットターンをして打つ準備をします。左足をパッと横に向け、三角形を作った上半身と下半身を同時に捻ります。

バックハンドでのスピンのかけ方・打ち方

バックハンドでも、スピンボールが打てれば武器になります。しかし、意識すればするほど無理な力が入ってしまったり、本来のフォームが崩れてしまったりします。

スピンボールを打ちたいと思った時は、より具体的にどんなボールを打ちたいのか、そのボールを打つにはどうしたらいいのか、考えてみましょう!

無理にスピンをかける必要はない!?必要な回転量を理解する

スピンは回転量だけでなく、跳ねたり伸びたりしてきちんと変化することが大事です。チョリチョリとボールをこすっても、ただボールが回っているだけ。しっかりラケットをボールに押し当てるほうが、ボールはきちんと変化してスピンがかかります。

三角形を崩さず、大きい窓を拭くようなイメージで大きくスイングする

スピンを打つときは、よく車のワイパーのようにスイングするとたとえられます。しかし、ワイパーのように“こする”ことを重視するあまり、小さなスイングになってしまうケースがよくあります。

実際は、大きい窓を拭くように、大きくラケットを振ることがコツです。

このとき、スピンのときも三角形は崩しません。三角形を大きく使っていくことでスピンがかかるのです。ラケットを下から上に振り上げていくことと、前に押していくことを意識しながら大きく振ることで、ボールは落ちてくれます。

手首を返そうとしたり、早く腕をたたんだりと、無理にスピンをかけようとする動作は、かえって邪魔になっている可能性があるので注意しましょう!

スピンをかけるための練習法

バックハンドのスピンを練習するためにまず、腰より少し上あたりにラケットなどの障害物を用意します。そして、ユニットターンをするときには障害物の上にラケットを通し、前に振るときには障害物の下にラケットが通るように少し下ろしながら振っていきます。障害物に当てないようにスイングしましょう。

さらに、障害物の上下を通すときには丸を描くようにすると、振り上げがより安定します。丸を描いて振れるようになると、障害物がなくてもできるようになります。

慣れるまでは強制的に三角形を作って、体全体で打つことを覚えていくのがいいでしょう。

バックハンドでのストレートの打ち方

錦織選手のバックハンドのストレートは、見ていて気持ちいいですよね。しかし、バックハンドのクロスラリーからストレートに展開したいのに、無理して狙ってサイドアウトをしたり、反対に置きにいって真ん中に飛んでしまい結果的に甘いボールになってしまったりと、ストレートはなかなかに難しいものです。

決めにいくショットではなく展開するショットという考え方もある

バックハンドのストレートは、決定的なチャンスボールなどを除いて、基本的に決めにいくショットではなく、ラリーの中で違うコースに展開するショットだと理解しておいたほうがいいでしょう。

ですから、無理に決めに行こうとはせずに、反対に安定感のあるショットを打つことが必要なのです。

体を回すよりも体重移動で打っていくイメージ

体を回して打つと、ボールは内側に飛んでしまいます。クロスに打つときは体を回して右方向へ持っていきますが、ストレートの場合は、体を回すことよりも体重移動を意識したほうがブレません。体重移動を意識しながら、最後はボールに向かっていくようにストレートに打つとブレが少なくなります。

イメージとして、右肩を入れてボールに突っ込んでいくようにすると、体が余計に回りにくく、ボールをストレートに運びやすくなります。

踏み込む分ボールとの距離を取っておく

右肩を入れて、そのままぶつかっていくようにストレートを打ちますが、そのときに右足を前に踏み込むことがポイントとなります。踏み込めないと、振り遅れてサイドアウトする可能性が高くなるからです。

そのため、踏み込む分を考えてボールとの距離を調整する必要があります。ユニットターンをするときには、その距離も考慮しなければなりません。

安定したフォームを手に入れよう

テニスはフォアハンドで攻撃して、バックハンドはミスをしないことが基本的なプレースタイルです。試合では、相手は当然こちら側のバックハンドを狙ってきます。

バックハンドに来ても慌てず、また無理もせず、しっかりと真ん中に当てて返します。強いショットを打つことよりも、ミスをしないよう安定して打てることを目指すことが重要です。

基本的な動作を覚えて、苦手意識を克服しましょう!

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