すぎまる

あの時のことは忘れようとしても忘れることはできません。あれは確か、1990年代半ばの頃のことでした。ふと気づくと私は北海道十勝のど真ん中、帯広市にいたのです。冬には‐25℃を下回るという北の大地。見渡す限りの大平原。エゾシカ踊るリアル蝦夷地がそこにありました。途方に暮れていたその時、一枚のチラシに目が留まりました。「インドアテニスウイング」と書かれていたそのチラシには、体験無料の文言が。「時間もあることだ、行ってみよう」。なぜかそう思ったのです。無料体験で初めてボールを打ったその時から、私のテニスキャリアが始まったのです。あれから20数年、北海道から福岡までを転々としながら、テニスを続けてきました。「試合は負けても楽しむこと」を合言葉に今に至ります。地元東京に戻ってきました。これからは楽しいコミュニティーが築ければと考えています。