テニスのハンブルク・ヨーロピアン・オープンとは
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ハンブルク・ヨーロピアン・オープン(以下、ハンブルクオープン)は、ウィンブルドン終了後、7月中旬から下旬に行われるATP500の大会です。開催地はドイツ北部のハンブルク。首都のベルリンに次ぐドイツで二番目に人口が多い都市で、多くの運河が流れるドイツ最大の港町でもあります。
2021年は予定通りの日程でしたが、2020年は新型コロナウィルス感染症で延期となり、9月開催に変更されました。また2002年まで行われていたWTAのハンブルクオープンが、2021年に復活しています。ATPの前週、ウィンブルドン2週目と重なる7月6日から7月11日というスケジュールで行われました。
ハンブルクオープンの概要
テニストーナメントの中でも長い歴史を持つハンブルクオープン。1892年から始まった伝統ある大会です。その歴史の中で、大きな変革もありました。2009年のATPワールドツアー改編によって、開催時期とツアーカテゴリーが変更されたのです。
2008年までは、全仏オープン前のクレーコートシーズンの5月に行われていました。当時はマスターズのカテゴリーの大会で「ハンブルク・マスターズ」と呼ばれていたのですが、2009年にATP500シリーズに降格となり、開催時期もウィンブルドン後の7月となりました。
2021年のハンブルクオープンの大会概要をご紹介します。
開催地 | ハンブルク(ドイツ) |
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会場 | アム・ローテンバウム・テニススタジアム |
サーフェス | クレー |
開催日程 | 7月第3週 |
獲得ポイント | 500ポイント |
獲得賞金 | 総額:約103万ユーロ |
ドロー数 | シングルス:28、ダブルス:16 |
公式ウェブサイト | ハンブルクオープン公式サイト |
ハンブルクオープンの開催地/会場
ハンブルクオープンは約130年の歴史がありますが、開催地はずっと変わらず、ハンブルクの中心のアム・ローテンバウムで行われています。メインとなるアム・ローテンバウム・テニススタジアムは1999年に造られました。格納式の屋根があり、13,200人収容できます。
ハンブルクはドイツ第二の都市と言われ、経済や観光、文化、スポーツなども発展しています。多くの運河が流れ、橋のある風景もハンブルクの特徴と言えるでしょう。水・橋・美しい建築物が相まって、とても絵になる街並みです。
川を堰き止めて造られた湖や公園、動物園や植物園など自然に親しめる場所も、美術館やショッピング施設、市場やナイトクラブなども充実しており、多彩な楽しみ方ができます。ちなみにハンブルクという地名は、『ハンバーグ』の語源となりました。
ハンブルクは年間を通して、日本よりも気温が低いです。平均して冬は寒さが厳しく、夏は涼しいのですが、ときに酷暑となることも。ハンブルクオープンが開催される7月は、日本の夏に比べれば過ごしやすいと思います。しかし、35度を超えることもあるので、暑さにも涼しさにも対応できる服装を考えたほうがいいかもしれません。また雨の準備もしておきましょう。
ハンブルクオープンの開催日程
2019年までは7月第4週に開催されていましたが、2021年は7月第3週(2021年7月12日から7月18日)に行われました。2020年は新型コロナウィルス感染症の影響で、9月に変更となりました。
ハンブルクオープンのサーフェス
ハンブルクオープンは、クレーコートの大会です。全仏オープンと同じ「アンツーカー」という赤土が使われています。
ハンブルクオープンの獲得ポイント/獲得賞金
ハンブルクオープンで、優勝者・準優勝者が獲得できるポイントと賞金をご紹介します。
ATPツアー500
ATPツアーの中で、ハンブルクオープンはATP500大会に含まれます。優勝者には500ポイント、準優勝者には300ポイントが付与されます。また、2021年大会での賞金は、優勝者96,035ユーロ、準優勝者が71,000ユーロでした。
なお、ATP500とは、男子プロテニス協会「ATP(Association of Tennis Professionals)」が運営する大会です。トップ選手が参加する主なATPツアーは「グランドスラム」「ATPファイナルズ」「マスターズ1000」「ATP500」「ATP250」とあり、その中のATP500は年間13大会行われます。上位30位以内の選手(コミットメントプレーヤー)には、ATP500の13大会のうち4大会に出場義務があり、さらに全米オープン以降に行われる大会の中で少なくとも1大会に出場しなければなりません。全米オープン以降のATP500は、ジャパンオープンを含め4大会です。
ハンブルクオープンのシングルス歴代優勝者
ハンブルクオープンの2010年からの優勝者をご紹介します。
2021年 | パブロ・カレーニョ ブスタ |
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2020年 | アンドレイ・ルブレフ |
2019年 | ニコロズ・バシラシビリ |
2018年 | ニコロズ・バシラシビリ |
2017年 | -レオナルド・メイヤー |
2016年 | マルティン・クリザン |
2015年 | ラファエル・ナダル |
2014年 | レオナルド・メイヤー |
2013年 | ファビオ・フォニーニ |
2012年 | フアン・モナコ |
2011年 | ジル・シモン |
2010年 | アンドレイ・ゴルベフ |
ツアー優勝99回(2021年8月現在。シングルス88勝、ダブルス11勝)を誇るラファエル・ナダル。決勝戦後の優勝スピーチも慣れたものなのでしょうね。しかし、2015年のハンブルクオープンでの優勝スピーチの最中、ナダルにアクシデントが起こったのです。
ファビオ・フォニーニを破って優勝したナダルは、セレモニーでの優勝スピーチに臨みました。その途中でナダルに異変が起きます。どうやらスピーチをしているときに右足がつった様子。足の痛さに耐えながらも話を続けるナダルに、観客も拍手で応援します。ついにはマッサージしてもらいながらスピーチをすることに。
決勝戦は7-5、7-5でストレート勝利しましたが、試合時間は2時間34分かかっています。ここまでの疲れがスピーチのときに出たのかもしれませんね。それでも覇者として、きちんとスピーチを成し遂げたナダルはさすがです。