ABNアムロ世界テニストーナメント(ロッテルダムオープン)とは
目次
オランダで行われるABNアムロ世界テニストーナメントは、シーズン最初のATP500です。
1974年の第1回目から、オランダに本店があるABNアムロ銀行がタイトルスポンサーとなっています。オランダの都市・ロッテルダムが開催地なので「ロッテルダムオープン」とも呼ばれます。ATP500ではありますが、トップ選手が集うハイレベルな大会です。
この記事では、ロッテルダムオープンの開催地/会場、開催時期、サーフェス、獲得ポイント/賞金、歴代優勝者、そして名場面をご紹介します。
ロッテルダムオープンの概要
ATP500は、このロッテルダムオープンからスタートします。1974年に始まった当時から冠スポンサーはABNアムロ銀行で、ATPツアーのスポンサーとしては最長です。多くの観客が訪れる、オランダ国内でも伝統あるイベントの一つとなっています。
ATP500の大会ですが、毎年、トップ選手が集まります。これまでも、歴代のレジェンドと言われる選手たちが出場していました。出場選手にも観客にも人気のある大会ということなのでしょう。
それでは、2021年大会の概要をお伝えします。
開催地 | ロッテルダム(オランダ) |
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会場 | ロッテルダム・アホイ |
サーフェス | 室内ハード |
開催時期 | 3月第1週 |
獲得ポイント | 500ポイント |
獲得賞金 | 総額:約200万ユーロ |
ドロー数 | シングルス:32、ダブルス:16 |
ロッテルダムオープンの開催地/会場へのアクセス
オランダの気候は比較的穏やかですが、日本よりも気温は低いです。ロッテルダムオープンが開催される2月から3月は日本と同様に冬の終わりから春の初めですが、まだ寒い日が続くので厚手の上着が必要です。
オランダと言えば、やはり風車でしょう。おとぎ話の世界のようなオランダの風車は、ロッテルダムからウォーターバスで30分ほどの郊外・キンデルダイクで見ることができます。世界遺産にもなっている19基の風車が並ぶ様は、オランダを訪れたなら必ず見たい風景です。風車とともにオランダを象徴するチューリップの見頃は3月末から5月なので、残念ながら、ロッテルダムオープンの開催時期はまだチューリップには早いですね。
ロッテルダムは、首都・アムステルダムに次ぐ第2の都市で、ヨーロッパ有数の港湾都市です。ロッテルダムの中心地は近代的。個性的な建築物が建ち並び、街を歩くだけでも満喫できると思います。オランダ出身の芸術家も多く、博物館や美術館もたくさんあります。
ロッテルダムオープンの会場となるアホイ・ロッテルダムはテニス専用の会場ではなく、様々なスポーツ大会やコンサート、イベントが行われる広大な屋内競技場です。地下鉄の駅やバス停が近くにあり、アクセスにもとても便利です。
ロッテルダムオープンの開催時期
シーズン最初のATP500の大会で、例年は2月中旬に開催されます。2021年は新型コロナウィルス感染症により例年通りのスケジュールではなく、3月1日から3月7日の日程となりました。
ロッテルダムオープンのサーフェス
室内ハードコートで行われます。ハードコートの中では、球足が遅いと言われているようです。
ロッテルダムオープンの獲得ポイント/獲得賞金
ロッテルダムオープンで、優勝者・準優勝者が獲得できるポイントと賞金をご紹介します。
ATPツアー500
ATPツアーの中で、ロッテルダムオープンはATP500大会に含まれます。優勝者には500ポイント、準優勝者には300ポイントが付与されます。また、2021年大会での賞金は、優勝者が89,265ユーロ、準優勝者が66,000ユーロでした。
なお、ATP500とは、男子プロテニス協会「ATP(Association of Tennis Professionals)」が運営する大会です。トップ選手が参加する主なATPツアーは「グランドスラム」「ATPファイナルズ」「マスターズ1000」「ATP500」「ATP250」とあり、その中のATP500は年間13大会行われます。上位30位以内の選手(コミットメントプレーヤー)には、ATP500の13大会のうち4大会に出場義務があり、さらに全米オープン以降に行われる大会の中で少なくとも1大会に出場しなければなりません。全米オープン以降のATP500は、ジャパンオープンを含め4大会です。
WTAツアー
女子の大会は開催されません。
ロッテルダムオープンのシングルス歴代優勝者
ロッテルダムオープンの2010年からの優勝者をご紹介します。
2021年 | アンドレイ・ルブレフ |
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2020年 | ガエル・モンフィス |
2019年 | ガエル・モンフィス |
2018年 | ロジャー・フェデラー |
2017年 | ジョーウィルフリード・ツォンガ |
2016年 | マルティン・クリザン |
2015年 | スタン・ワウリンカ |
2014年 | トマーシュ・ベルディヒ |
2013年 | フアン マルティン・デルポトロ |
2012年 | ロジャー・フェデラー |
2011年 | ロビン・セーデリング |
2010年 | ロビン・セーデリング |
ロッテルダムオープンの名場面
1984年のシングルスは、スター選手のどちらかが優勝者となるはずでした。「なるはず」と表現したのには理由があります。決勝戦が最後まで行われなかったからです。
決勝戦は、イワン・レンドル(チェコスロバキア)とジミー・コナーズ(アメリカ)の対決。第2セットまで試合は進んだのですが、途中で、会場内に爆弾が仕掛けられたと騒ぎが起きたのです。すぐさま会場は封鎖され、試合は中断。
結局、大事には至らなかったのですが、試合は再開されず、未消化試合として2選手とも準優勝者扱いとなりました。つまり、1984年の優勝者は存在しないのです。