ABNアムロ世界テニストーナメント(ロッテルダムオープン)とは

2021-10-11更新
3,973
監修
ゴンちゃん
テニスベア・アンバサダー
慶應義塾大学ではレギュラー2番手として、全日本学生テニス選手権大会や全日本大学対抗テニス王座決定試合で活躍。卒業後はYouTuberとして活躍し一躍有名に。2020年12月よりテニスベア・アンバサダーとしてテニスベアに参画。

オランダで行われるABNアムロ世界テニストーナメントは、シーズン最初のATP500です。

1974年の第1回目から、オランダに本店があるABNアムロ銀行がタイトルスポンサーとなっています。オランダの都市・ロッテルダムが開催地なので「ロッテルダムオープン」とも呼ばれます。ATP500ではありますが、トップ選手が集うハイレベルな大会です。

この記事では、ロッテルダムオープンの開催地/会場、開催時期、サーフェス、獲得ポイント/賞金、歴代優勝者、そして名場面をご紹介します。

ロッテルダムオープンの概要

ATP500は、このロッテルダムオープンからスタートします。1974年に始まった当時から冠スポンサーはABNアムロ銀行で、ATPツアーのスポンサーとしては最長です。多くの観客が訪れる、オランダ国内でも伝統あるイベントの一つとなっています。

ATP500の大会ですが、毎年、トップ選手が集まります。これまでも、歴代のレジェンドと言われる選手たちが出場していました。出場選手にも観客にも人気のある大会ということなのでしょう。

それでは、2021年大会の概要をお伝えします。

開催地 ロッテルダム(オランダ)
会場 ロッテルダム・アホイ
サーフェス 室内ハード
開催時期 3月第1週
獲得ポイント 500ポイント
獲得賞金 総額:約200万ユーロ
ドロー数 シングルス:32、ダブルス:16

ロッテルダムオープンの開催地/会場へのアクセス

オランダの気候は比較的穏やかですが、日本よりも気温は低いです。ロッテルダムオープンが開催される2月から3月は日本と同様に冬の終わりから春の初めですが、まだ寒い日が続くので厚手の上着が必要です。

オランダと言えば、やはり風車でしょう。おとぎ話の世界のようなオランダの風車は、ロッテルダムからウォーターバスで30分ほどの郊外・キンデルダイクで見ることができます。世界遺産にもなっている19基の風車が並ぶ様は、オランダを訪れたなら必ず見たい風景です。風車とともにオランダを象徴するチューリップの見頃は3月末から5月なので、残念ながら、ロッテルダムオープンの開催時期はまだチューリップには早いですね。

ロッテルダムは、首都・アムステルダムに次ぐ第2の都市で、ヨーロッパ有数の港湾都市です。ロッテルダムの中心地は近代的。個性的な建築物が建ち並び、街を歩くだけでも満喫できると思います。オランダ出身の芸術家も多く、博物館や美術館もたくさんあります。

ロッテルダムオープンの会場となるアホイ・ロッテルダムはテニス専用の会場ではなく、様々なスポーツ大会やコンサート、イベントが行われる広大な屋内競技場です。地下鉄の駅やバス停が近くにあり、アクセスにもとても便利です。

ロッテルダムオープンの開催時期

シーズン最初のATP500の大会で、例年は2月中旬に開催されます。2021年は新型コロナウィルス感染症により例年通りのスケジュールではなく、3月1日から3月7日の日程となりました。

ロッテルダムオープンのサーフェス

室内ハードコートで行われます。ハードコートの中では、球足が遅いと言われているようです。

ロッテルダムオープンの獲得ポイント/獲得賞金

ロッテルダムオープンで、優勝者・準優勝者が獲得できるポイントと賞金をご紹介します。

ATPツアー500

ATPツアーの中で、ロッテルダムオープンはATP500大会に含まれます。優勝者には500ポイント、準優勝者には300ポイントが付与されます。また、2021年大会での賞金は、優勝者が89,265ユーロ、準優勝者が66,000ユーロでした。

なお、ATP500とは、男子プロテニス協会「ATP(Association of Tennis Professionals)」が運営する大会です。トップ選手が参加する主なATPツアーは「グランドスラム」「ATPファイナルズ」「マスターズ1000」「ATP500」「ATP250」とあり、その中のATP500は年間13大会行われます。上位30位以内の選手(コミットメントプレーヤー)には、ATP500の13大会のうち4大会に出場義務があり、さらに全米オープン以降に行われる大会の中で少なくとも1大会に出場しなければなりません。全米オープン以降のATP500は、ジャパンオープンを含め4大会です。

WTAツアー

女子の大会は開催されません。

ロッテルダムオープンのシングルス歴代優勝者

ロッテルダムオープンの2010年からの優勝者をご紹介します。

2021年 アンドレイ・ルブレフ
2020年 ガエル・モンフィス
2019年 ガエル・モンフィス
2018年 ロジャー・フェデラー
2017年 ジョーウィルフリード・ツォンガ
2016年 マルティン・クリザン
2015年 スタン・ワウリンカ
2014年 トマーシュ・ベルディヒ
2013年 フアン マルティン・デルポトロ
2012年 ロジャー・フェデラー
2011年 ロビン・セーデリング
2010年 ロビン・セーデリング

ロッテルダムオープンの名場面

1984年のシングルスは、スター選手のどちらかが優勝者となるはずでした。「なるはず」と表現したのには理由があります。決勝戦が最後まで行われなかったからです。

決勝戦は、イワン・レンドル(チェコスロバキア)とジミー・コナーズ(アメリカ)の対決。第2セットまで試合は進んだのですが、途中で、会場内に爆弾が仕掛けられたと騒ぎが起きたのです。すぐさま会場は封鎖され、試合は中断。

結局、大事には至らなかったのですが、試合は再開されず、未消化試合として2選手とも準優勝者扱いとなりました。つまり、1984年の優勝者は存在しないのです。

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