【整形外科医が動画で解説】テニス肘とはどんな病気?原因やストレッチなどの治療法を解説

2023-01-02更新
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テニスやゴルフ、野球といったスポーツをしていると「テニス肘」という言葉を聞く機会が多くあります。しかし同時に、テニス肘について詳しく知らない方がほとんどではないでしょうか。

中には「なんとなく肘や腕に痛みが感じるけれど、テニス肘かどうかはわからないなー」そんな方もいるかと思います。専門性の高い分野なので、整形外科に行かないとわからないですよね。

そこで、今回は、整形外科医のDr.ジミー金太郎さんに、テニス肘のことを教えていただきましょう。

※ なお、症状や対処法には個人差があるため、確実な診断や治療を行いたい方は、お近くの医療機関を受診されることをおすすめします。

監修・解説
Dr.ジミー金太郎
整形外科医師
整形外科医。主に整形外科の病気の解説やヘルスケア関係の話題についてポッドキャスト番組を配信中。

テニス肘とは どんな病気?

テニス肘は、肘の一部分を痛めてしまっている状態を言います。具体的には、肘の外側にあるでっぱりのところ(肩に近い方)で、「上腕骨外側上顆(じょうわんこつがいそくじょうか)という部分です。

その部分が炎症を起こしてしまい、動かすたびに痛みとして感じるという仕組みです。「テニス肘」はとは通称であり、正式には『上腕骨外側上顆炎(じょうわんこつがいそくじょうかえん)』と言います。

主にテニスをしている人を中心にかかりやすい一般的な病気であり、気づかずに、あるいは気づいていながらプレーを続けることで慢性化することが多くあります。一度慢性化してしまうと、治療がしにくくなってしまいます。

テニス肘になってしまう原因・理由

テニス肘で痛くなる「外側上顆」という部位は、手首の筋肉とつながっているので、手首を上に反らしたり指を伸ばしたりするときに一緒に動きます。テニスの場合、バックハンドなどでラケットを調整するときに手首を返す動きが多くなるため、上腕骨外側上顆を傷めやすいのです。

上腕骨外側上顆のように骨と筋肉がくっついている部分が頻繁に伸ばされたり緊張状態が続いたりすると、小さい傷が入って慢性的に痛みが出るようになります。

テニスをしない人でもなる?

外側上顆が痛くなる原因は、テニスだけではありません。

主にテニスをしている人がなりやすいためテニス肘と呼ばれていますが、同じように肘に負荷がかかりやすいスポーツでも、同様の炎症を引き起こします。ゴルフや野球などでもよく耳にします。

また、エンジニアや家事をする方など、日常的に手首を返す動作をしているとテニス肘になる可能性があります。

テニス肘の診断 どうやったらテニス肘かわかる?

テニス肘かもしれないと思ったら、自分で簡単にテストしてみましょう。

一つ目の方法は、テニス肘かどうか確認したいほうの手首を返すように力を入れ(上に反らす)、反対の手で手の甲を下に押してください。力比べをするように逆の動きをすることで、肘の部分に力が入ります。そのとき、痛みがあれば炎症を起こしているかもしれません。

もう一つは、指を伸ばす方法です。テニス肘は指を伸ばしても痛いので、テニス肘かもしれないほうの手の指(親指以外の4本)を伸ばそうとし、反対の手では指を押して伸ばさないようにします。先ほどと同様に力比べをするようにして、痛みがあるかどうかを確認します。

また、最初に説明した肘のでっぱり部分を触って痛みを感じれば、テニス肘の可能性が高いと言えます。

肘の変形がある人以外で、特に何もしていないのに肘が痛くなったという人はテニス肘の場合が多いので、セルフチェックをしてみてください。ただし、これらはあくまで自分で確認する方法ですので、正確な診断をしてもらうためにも整形外科等での診断をおすすめします。

テニス肘の治療

病院でテニス肘と診断されたら、実際にどんな治療を行うのでしょうか。

治療にはどれくらい時間がかかる?

テニス肘は、基本的に休めることが治療になります。その期間が、症状の度合いによって変わってきます。

程度であれば数ヶ月程度の静養で済むこともありますが、重度の場合には数年かかる場合もあります。テニス肘であることに気づかず、あるいは違和感に気づいていながらプレーを続けてしまうことで、慢性化してしまわないように気をつけましょう。

慢性化を防ぐためにも、異常を感じたら早めに治療することが重要です!

クリニックで行う治療

クリニックで診てもらったら、どんな治療法があるのでしょうか。

炎症を抑える薬を飲む

炎症を抑える薬があるので、それを服用します。テニス肘と診断された時には、多くの場合この薬を処方してもらいます。

患部に直接ステロイドの注射を打つ

炎症がひどい、あるいは手っ取り早く治したいなら、患部に直接注射をします。炎症が起きている部分に、炎症を抑えるステロイドの注射を打つのです。それで治る場合もあります。

ただし、ステロイドの注射は何回も打つことはできません。短期間に何回も打つと、筋肉から骨についている腱の部分がボロボロになる恐れがあるからです。

自分で行う治療

前述した通り、テニス肘は慢性化しやすい病気です。だからこそ、日常で自分でできることケアをすることが非常に効果的です。症状を軽くする方法もあります。

ストレッチ

まずはストレッチです。テニス肘は、手首を返すなどして腕の筋肉が収縮することが原因なので、逆に伸ばすことが重要です。痛みのある腕の、手の甲を反対の手で押します。反対の動きをすることで、筋肉が伸びます。

バンドやサポーターを使用する

テニス肘は、腕の筋肉の力が肘に伝わるために炎症が起きることが原因です。それを防ぐのに、テニス肘バンドやサポーターがあります。バンドやサポーターで肘を圧迫することによって、力が肘まで届かない仕組みになっているのです。それらを活用することもできます。

いかがでしたでしょうか?テニス肘についての理解が進んだと思います。少しでもテニス肘かなと思ったら、無理してプレーを続けることはせずに、早めに整形外科を受診しましょう!早めに治療することが非常に重要です。

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