テニスのリターンを安定させる「ワンツーの踏み込み」とは?ただ返すだけのリターンを卒業しよう!

2022-01-17更新
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リターンは普段あまり練習されることのないショットもしれませんが、実は重点的に練習する価値のあるショットです。

というのも、リターンがうまければ、初手からラリーの主導権を握ることでシングルスで勝てるようになったり、ダブルスなら足元に沈めたり、深く打ったり、前衛にアタックしたりと、ラリーで優位に立つことができるからです。リターンの技術(精度、安定性、コントロール力)が高いことは、試合運びを楽にするカギになるでしょう。

今回は、江原プロより、リターンのコツをわかりやすく教えていただきました。リターンが苦手な方、いつもリターンをアウトしてしまう方、リターンはただ当てて返すだけだった方、必見の内容です!

監修
江原弘泰プロ
エキスパートパワーシズオカ所属
1991年埼玉県出身。秀明英光高校卒業。俊敏なフットワークとアグレッシブな攻めるテニスが持ち味のファイター。ツアーを回る傍らでジュニア育成にも尽力。2014年全日本選手権単優勝。2017年全日本選手権複優勝。

リターンは脚で押し出して打つ

今回江原プロに教わったのは、「リターンは脚で押し出して打つ」という方法です。

リターンを脚で押し出して打つために、必要なアクションはたったの2つです。タイトルでは「ワンツーの踏み込み」としましたが、早速詳しく見ていきましょう。

ボディターンするだけ

まず1つ目のアクションは、「ボディターン」です。

普通のストロークはテイクバックしますが、リターンはボディターンするだけです。つまり、ラケットを引かず、体をひねるだけです。サーブが打たれる瞬間にスプリットステップして、フォアハンドかバックハンドどちらで打つべきかを素早く判断し、その方向に体をひねりましょう。

サーブは“静”から“動“へ切り替わるシーンであり、急に早いボールが飛んでくるので、リターンを打つ準備はなるべく短くすることが大切です。ボディターンはそのために必要な体の動かし方であり、すぐにボールを打てる状態にすることができます。速いサーブにも対応できるよう、ボディターンは、素早く、コンパクトに、行なうことを心がけましょう。

軸足で蹴って前へ着地する

2つ目のアクションは、「軸足で蹴って前へ着地すること」です。

ボディターンしたあとは、ボールをとらえるとともに、軸足で地面を蹴って前へ着地します。

例えば、右利きのフォアハンドリターンの場合は、

  • 右足(軸足)で地面を蹴ってボールをとらえる
  • 前へ押し出す力でリターンする
  • 打つと同時に左足を前に出す
  • 打ち終わったら左足で着地する

という動き方になります。

このときの蹴りの力が強ければ強いほど、リターンが向こう側に行くイメージです。

また、動画内では、「ジャンプするのではなく、地面に足を付けたまま前へ着地すれば良い」というアドバイスがありました。動きやすさには個人差がありますが、体の動かし方の参考にしてみてください。

 

リターンを打つ時のアクションは以上です。続いて、細かいポイントをご紹介します。

リターンのポイント①:リターンこそ脱力する

軸足で強く踏み込むことが大切なのはわかりましたが、力み過ぎずには注意が必要です。リターンこそ脱力しましょう。

力んでボールに突っ込みすぎてしまうと、前にいくスペースがなくなり軸足で踏ん張る時間が短くなるため、ボールにうまく力が伝わりません。リターンをスムーズに前に押し出すためにも、手や腕の力は脱力させて、足の力を利用していきましょう。

リターンのポイント②:ラケットを速く振る必要はない

手や腕は脱力させることがポイントである通り、リターンするときにラケットを速く振る必要はありません。ボディターンして、ラケットをセットしたら、あとは自分が壁になったつもりでボールにラケットをあてて返球しましょう。

ラケットを思い切り振らなくても、サーブの威力を利用できれば良いリターンが行きます。しっかり自分が壁になって、面だけ合わせることができれば、あとはその壁を前に押し出してあげましょう。

リターンのポイント③:前でとらえるイメージを持つ

リターンは後ろに下がって打つのではなく、前でとらえて早いタイミングで返すことがポイントになります。

一方で、前でとらえる練習をしていると、どうもリターンの振り遅れが多い、という悩みが出てくるかもしれません。その場合の対策としては、自分が思っているよりもさらに前でボールをとらえることを意識しましょう。

おそらく原因は、普段打っている打点のまま体だけ前に行こうとして、打点が後ろになってしまっていることかもしれません。体がいつもより前に出ているので、頭ではもっと前でとらえるイメージを持っておくと、振り遅れを解決できるはずです。

リターンの振り遅れは、速いサーブを打たれたときなどにもありがちなミスですが、この場合も、前でとらえること、そのためにボディターンをコンパクトにして、リターンできる準備をとにかく素早く行なうことが大切です。

リターンのポイント④:ワイドサーブを打たれたら斜め前へ入る

キックサーブなどをワイドに打たれた場合、まずはしっかり斜め前に入ってから、前に押し出しましょう。

ただの横移動だけで済ませてしまうと蹴りの力が弱くなり、手だけでリターンすることになってしまいます。しっかり斜め前に入り、ボールに近づきましょう。

また、ラケットは高くセットしておきましょう。キックサーブは高くバウンドするので、ラケットも高くセットしておき、地面と平行にスイングすることがポイントです。

前に踏み込んで打つリターンは非常に効果的

リターンは、

  1. ボディターン
  2. 軸足で蹴って前へ着地

という、「ワンツーの踏み込み」が動き方のポイントでした。

前に踏み込まれると、ダブルスの場合、相手の前衛はポーチに出ることが難しくなります。また、シングルスの場合でも、ボールを打つまでの時間を削ってあげるだけでかなり効果的なリターンになります。

リターンは、前に入って早いタイミングでとらえることがとても大切です。安定したリターンを打てるよう、ぜひ日頃の練習に、今回ご紹介したリターンの動き方を取り入れてみてください!

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