ハレオープン(ノベンティオープン/旧ゲリーウェバーオープン)とは
目次
この記事では、テニスのノベンティオープン(ハレオープン・旧ゲリーウェバーオープン)について解説します。
開催地から大会名は「ハレオープン」ですが、第一回から冠スポンサーを務めていたゲリー・ウェバー社にちなんで「ゲリーウェバ-オープン」とも言われていました。しかし、2019年よりノベンティ社(ミュンヘンのヘルスケア企業)が冠スポンサーとなり、以降は「ノベンティオープン」と呼ばれるようになります。2020年は、新型コロナウィルス感染症の影響で開催されませんでした。
なお、ドイツで開催されるハレオープンとまったく同じ日程で、イギリスのロンドンではクイーンズクラブ選手権(シンチ選手権)が行われます。どちらも2週間後のウィンブルドンの前哨戦に位置付けられ、大会の規模(賞金やドロー数など)もほぼ同じです。
ハレオープン(旧ゲリーウェバーオープン)の概要
ハレオープンは、1993年から続いている大会です。ハレオープンと同じ期間にロンドンで開催されるクイーンズクラブ選手権と同様に、ハレオープンも2014年まではATP250のカテゴリーだったのですが、2015年からATP500に格上げされました。スポーツが盛んなドイツで、ハレオープンは最高潮に盛り上がるイベントの一つとなっています。
開催地 | ドイツ(ハレ) |
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会場 | OWLアリーナ |
サーフェス | グラス |
開催日程 | 6月第3週 |
獲得ポイント | 500ポイント |
獲得賞金 | 総額:約132万ユーロ |
ドロー数 | シングルス:32、ダブルス:16 |
公式ウェブサイト | ハレオープン公式ウェブサイト |
ハレオープン(旧ゲリーウェバーオープン)の開催地/会場
ハレオープンが行われるドイツ・ハレは、東ドイツのエリアでザクセン=アンハルト州に属しています。州内では最も人口が多い都市です。路面電車が発達しており、市内の移動には困らないでしょう。比較的大きな街ですが都会というほどでもなく、歴史と音楽と自然を感じられるのんびりした雰囲気もあります。
ハレオープンの会場のOWLアリーナは、1992年に造られました。90秒以内に閉まる開閉式の屋根が付いていて、11,500人収容できます。テニス以外のスポーツイベントやコンサートなども開催される多機能アリーナです。
ハレオープン(旧ゲリーウェバーオープン)の開催日程
ハレオープンは6月末に行われるウィンブルドンの前哨戦でもあり、例年6月第3週に開催されます。2021年は6月14日から6月20日という日程で行われました。
ハレオープン(旧ゲリーウェバーオープン)のサーフェス
ウィンブルドンと同じグラス(芝)のコートで行われます。
ハレオープン(旧ゲリーウェバーオープン)の獲得ポイント/獲得賞金
ハレオープンで、優勝者・準優勝者が獲得できるポイントと賞金をご紹介します。
ATPツアー500
ATPツアーの中で、ハレオープンはATP500大会に含まれます。優勝者には500ポイント、準優勝者には300ポイントが付与されます。また、2021年大会での賞金は、優勝者113,785ユーロ、準優勝者が84,075ユーロでした。
なお、ATP500とは、男子プロテニス協会「ATP(Association of Tennis Professionals)」が運営する大会です。トップ選手が参加する主なATPツアーは「グランドスラム」「ATPファイナルズ」「マスターズ1000」「ATP500」「ATP250」とあり、その中のATP500は年間13大会行われます。上位30位以内の選手(コミットメントプレーヤー)には、ATP500の13大会のうち4大会に出場義務があり、さらに全米オープン以降に行われる大会の中で少なくとも1大会に出場しなければなりません。全米オープン以降のATP500は、ジャパンオープンを含め4大会です。
ハレオープン(旧ゲリーウェバーオープン)のシングルス歴代優勝者
ハレオープンの2010年からの優勝者をご紹介します。
2021年 | ウゴ・アンベール |
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2020年 | 開催なし |
2019年 | ロジャー・フェデラー |
2018年 | ボルナ・チョリッチ |
2017年 | ロジャー・フェデラー- |
2016年 | フロリアン・マイヤー |
2015年 | ロジャー・フェデラー |
2014年 | ロジャー・フェデラー |
2013年 | ロジャー・フェデラー |
2012年 | トミー・ハース |
2011年 | フィリップ・コールシュライバー |
2010年 | レイトン・ヒューイット |
ラファエル・ナダルが赤土の王者なら、芝の王者はロジャー・フェデラーでしょう。グラスコートのハレオープンで、フェデラーは2003年から2019年まで10回も優勝しており、最多優勝者です。そんなフェデラーにとって馴染みのあるこの大会で、珍事件が起こりました。
ハレオープンがATP250で行われた最後の年、2014年のことです。ロジャー・フェデラー対錦織圭の準決勝。第1セットは6-3でフェデラーが取ります。第2セットはタイプレークまでもつれましたが、グラスコートに強いフェデラーがリードし、6-4のマッチポイントまできました。錦織選手がバックハンドで返したボールがネットを超えず、そこでフェデラーの勝利が決まります。ガッツポーズをするフェデラー。試合に勝ったことを喜んでいるのかと思ったら・・・。
通常は、ネットを挟んでお互いの健闘を称えるところです。錦織選手はネット際でフェデラーを待ちますが、フェデラーは来ません。試合終了の瞬間はネット際にいたのに、フェデラーはベースラインまで戻っていました。フェデラーは、試合が終わったことに気付いていなかったのです。
「おっと、しまった」という感じで両手を上げながら、慌てて錦織選手の元に駆け寄るフェデラー。負けた錦織選手にも笑顔が見られます(苦笑いでしょうけど)。百戦錬磨で常に冷静沈着なイメージがあるフェデラーの、お茶目なワンシーンでした。