テニスの握り方(グリップ)と基本グリップの種類
テニスのラケットを持つ部分は「グリップ」という名前が付いていますが、日本ではそのグリップの握り方も「グリップ」と言います。今回は、握り方を意味する「グリップ」についてご説明します。
テニスの握り方(グリップ)とは
テニスのラケットを初めて触る場合、どう持つのか迷うかもしれませんし、握り方に種類があることをご存じない方もいらっしゃるかもしれません。実は、ラケットの握り方はいろいろあり、握り方がプレーに大きく影響します。
自分のプレースタイルや状況に合ったグリップを選べると、プレーの質が向上するでしょう。
ショットによって使い分け(グリップチェンジ)が必要
テニスの試合の中では、さまざまなショットを打つ機会があります。サーブやレシーブをしただけでは終わらず、すぐさまストロークを打ち、チャンスがあればネットを取ってボレーで決めに行きます。
そうしたショットそれぞれで、適切な握り方が変わってきます。適切なグリップを使わないと、うまく力が伝わらなかったり、変な打ち方になってしまい身体に負担がかかってしまいます。あまり変な癖がついてしまうとテニス肘になってしまうことも。。。
しっかりと自分の打つショットに応じて、適切なグリップで打てるように意識しましょう!いわばグリップはショットの基本ですので、グリップをしっかりと理解した上で、各ショットを練習することを心がけることが大切です。
プロ選手は試合中に何度もグリップチェンジをして、様々なショットを繰り出しています。私たちも自分に合ったグリップを基本に、状況に応じて握り方を変えたいですね。
ここでは、右利きの人を基準にした握り方ごとに、適したショットをご紹介します。左利きの方は、左右対称に考えていただけると嬉しいです!
コンチネンタルグリップ
基本的な握り方の一つに「コンチネンタルグリップ」があります。
握り方
コンチネンタルグリップは、「包丁を握るように」または「握手をするように」と表現されます。そんなイメージで、地面に対して垂直に立てたラケットを握ります。人差し指と中指の間は空けます。
ボールは、サーブやフォアハンドの場合、親指側のラケット面でとらえます。ボレーのバックハンドの場合は反対に手の甲がある側のラケット面でボールをとらえます。
使う場面
サーブやスマッシュ、ボレー向きのグリップで、特にサーブとボレーの標準的なグリップとして知られています。その他、フォア/バックハンドのストロークのスライスを打つ時にも使います。
テニスの基本的なグリップのような位置付けなので、コンチネンタルグリップをしっかりと覚えて、他のグリップを覚えていくことがおすすめです。
イースタングリップ
「イースタングリップ」は比較的握りやすく、主にストロークで使用されるグリップです。テニススクールなどでも、ストローク時には最初に基本グリップとして教わることが多いでしょう。
握り方
右の手の平を広げてラケット面に当て、そのままグリップ部分まで手を移動して握ります。先ほどのコンチネンタルグリップと比べると、右手を少し外側(右側)に回した位置で握るイメージです。
コンチネンタルグリップと同様、ボールは親指側のラケット面でとらえます。
使う場面
ストロークを打つ場合のグリップの中では比較的わかりやく、また打ちやすいため、初心者におすすめのグリップです。ラケット面と手の平の向きが一緒なので、ボールを捉えやすく、手の平でボールを打つ感覚に似ています。
バックハンドも理論は同じなので、左右対称に考えることで簡単に握ることができます。
セミウエスタングリップ
現代テニスの主流となっているのが「セミウエスタン・グリップ」です。
握り方
イースタングリップと、この後にご紹介するウエスタングリップの中間の握り方です。親指と人差し指のV字の部分が、イースタングリップよりもさらに外側(右側)になります。
コンチネンタルグリップやイースタングリップと同様、ボールは親指側のラケット面でとらえます。
使う場面
ストロークが打ちやすいグリップで、イースタングリップと同様安定して力が入り、同時にラケットを素早く振ることができます。また、回転をかけやすいため、ラリー中に積極的にトップスピンをかけるようなボールを打つようなプレースタイルの方も使用することができます。
ウエスタングリップ
セミウエスタングリップよりも、さらにトップスピンをかけたストロークを意識した方は「ウエスタングリップ」がおすすめです。
握り方
ウエスタングリップは、セミウエスタンよりもさらに外側(右側)から握るグリップです。考え方としては、コンチネンタル → イースタン → セミウエスタン → ウエスタンの順(※)に、どんどん外側に回していく、というイメージを持つとわかりやすいです!
その位置は、コンチネンタルグリップの180度反対側になります。そのため、コンチネンタルグリップのときのラケットを180度回転し、同じようにラケット面を地面と平行にして、真上からグリップ部分を握ります。
注意が必要なのがボールをとらえる面で、コンチネンタルグリップとは反対の面でとらえます。つまり、ボールは手の甲側のラケット面でとらえます。これは、コンチネンタルと比較すると一見難しいのですが、上述した(※)の要領でストロークのグリップだけで考えてみると、簡単に考えることができます!
使う場面
下から上にスイングしやすいので、トップスピンが非常に打ちやすいです。また、腰から上の高いボールも比較的打ちやすいと言われています。逆に、低い位置のボールや手前に落ちたボールは打ちにくくなります。
扱い方が難しいのも特徴のひとつで、打ち方によっては他のグリップよりも肘や手首に大きな負担がかかってしまいます。その点は理解した上で採用しましょう。
なお、錦織圭選手もこのウエスタングリップを採用しています。
特徴を理解して適切な持ち方を心がけよう!
ここまで基本的なグリップを紹介してきました。
適切なグリップをマスターすることは、上達のみならず、怪我の防止にもつながります。しっかりとグリップの特徴を理解して、ショットやプレースタイルに適したグリップを使うように心がけましょう!