プロテニスプレーヤーの契約や年収

2020-12-16更新
58,875
監修
ゴンちゃん
テニスベア・アンバサダー
慶應義塾大学ではレギュラー2番手として、全日本学生テニス選手権大会や全日本大学対抗テニス王座決定試合で活躍。卒業後はYouTuberとして活躍し一躍有名に。2020年12月よりテニスベア・アンバサダーとしてテニスベアに参画。

プロ野球選手やプロサッカー選手などプロアスリートとして活躍している人たちは、その競技をすることによって生計を立てています。「プロ○○選手」は、スポーツをしている少年少女たちの憧れの職業とも言えるでしょう。

この記事では、プロテニスプレーヤーの実態を解説します。

プロテニスプレーヤーとは

プロテニスプレーヤーは当然、テニスをすることでお金を得ていますが、そもそもどうすれば「プロテニスプレーヤー」になれるのでしょうか。日本でプロテニスプレーヤーになる流れを見ていきます。

プロになるには、まず日本テニス協会にアマチュア登録をして大会で成績を残し、ポイントを積み上げていきます。ランキング上位を維持するようになったら、日本テニス協会に申請して承認を受け、プロとして登録します。

一方海外では「自称」プロテニスプレーヤーがたくさんいるようです。国によってはプロに明確な資格や定義がないので、大会で賞金を得ることができる人は「プロ」とされる場合もあります。

ただし、そこから稼げるようになるまでには、高い壁があります。男子であれば男子プロテニス協会「ATP(Association of Tennis Professionals)」に、女子は女子テニス協会「WTA(Women's Tennis Association)」に加盟し、グランドスラムをはじめ世界各地で行われる大会に出場して勝利しなければ、賞金を稼ぐことはできません。

日本では、プロとして登録申請して承認されればプロテニスプレーヤーです。とはいえ、テニスだけで生活していけるのはATPあるいはWTAランキングが100位以内くらいの選手でしょう。プロになっても、試合の獲得賞金だけで生活できる人は一握りなのです。

プロテニスプレーヤーのスポンサー契約の種類

先ほどからテニスプレーヤーは賞金を稼ぐ必要があると述べて来ましたが、それを凌ぐほど金額が大きいのがこのスポンサー契約です。

多くのプロテニスプレーヤーにはスポンサーがついており、たいてい「○年間の契約料○円」という契約を結びます。一流のトップ選手ともなると、何社ものスポンサーと契約しています。

スポンサー契約の金額や質は場合によりますが、選手にとってのスポンサーは、企業全体でバックアップしてくれる心強い存在です。一方で、期待通りの成績を残すことが求められるというプレッシャーもあります。

もちろん、スポンサーとなる企業側にも知名度や好感度が上がるといったメリットがあるわけで、お互いに利益を与え合う関係なのです。

専属契約(所属契約)

「専属契約」とは、社員ということではありませんが、契約を結んだ企業に「所属している」という意味に捉えて問題ないでしょう。契約料は多額ですが、その分世界中に企業名を目にしてもらえる機会が増えますし、自社のCMやイベントに選手を起用することもできます。

「錦織圭(日清食品)」「大坂なおみ(日清食品)」と書かれているのを見たことがあると思いますが、これは両選手とも『日清食品』と専属契約を結んでいるということを表しています。

用品使用契約

テニスに必需品のラケットやシューズ、ウェアなどテニス用具に関して契約を結ぶのが「用品使用契約」です。スポンサーがあらゆる用具を提供します。用具の開発段階から選手が携わるケースもあり、その場合、選手のプレースタイルや好みにあった仕様やデザインを取り入れた用具を作ります。

選手にとっては、消耗品である用具を提供してもらえる、自分の好みを用具に反映してもらえるといったメリットがあります。一方の企業側からすれば、選手に使ってもらうことで企業名を広められます。「○○選手といえばここ(企業名)のウェア」「このラケット(企業名)を使っているのは○○選手」といったイメージが沸くでしょう。さらに、選手が使用した用具と同じタイプを「○○モデル」と販売すれば、ファンが購入します。売り上げアップにつなげることができるのです。

錦織選手を例にしてご紹介しますと、ウェアは日本のメーカーである『ユニクロ』を着ています。ウェアの他、キャップやヘアバンド、リストバンド、ソックス、バッグと、身に着けているもののほとんどがユニクロです。2011年から長年着用しているので、錦織選手とユニクロのイメージはすっかり定着していますよね。シューズは『ナイキ』です。ラケットは、『ウィルソン』と生涯契約(引退するまで)を結んでいます。

ウェアロゴ契約

テニスウェアには、ウェアのメーカーのロゴマーク(ユニクロやアディダスなど)が入っていますが、プロテニスプレーヤーのウェアにはそれ以外のロゴマークもあります。ウェアにロゴマークを入れる契約が「ウェアロゴ契約」です。選手の試合や記事を見ている人の目に留まることで、宣伝効果が期待できるのです。

ただし、ウェアに入れられるロゴマークの大きさや数などには規定があります。またナイキのウェアを着用している場合は、基本的に他社のロゴマークを入れることができないようです。

錦織選手の場合、『ユニクロ』と『NISSIN』のロゴマークの他、左の袖に『LIXIL』と入っています。LIXILは住宅関連企業のスポンサーです。大坂選手はナイキのウェアですが、特例として『NISSIN』と『ANA』のロゴマークを入れることが認められています。

プロテニスプレーヤーの収入/年収

プロテニスプレーヤーは、世界各地で開かれるツアー大会に出場して、試合に勝ってポイント積み重ね、ランキングを上げていくことを目的としています。そのためには、各地への移動費・滞在費、コーチやスタッフへの報酬、トレーニングやケアにかかる費用、その他もろもろたくさんのお金が必要となりますが、それらは選手が負担しなくてはなりません。

プロテニスプレーヤーの主な収入は、スポンサー契約料とツアー大会の賞金です。人気選手にはスポンサーが集まってきますし、実力のある選手は賞金を獲得できますから、トップ選手のほうが有利で、たくさん稼げることがわかりますよね。それでは一体、どれほど稼いでいるのでしょうか?

スポンサー契約料

人気選手は、スポンサー契約料だけで10億円以上稼ぎます。スポンサー契約数や契約料が多い錦織選手など20億円以上の選手もいます。

いい用具を使って、優秀なコーチやスタッフを雇い、体力面でも精神面でも適切なケアを行えば、ランキングを上げたり安定してランキング上位をキープしたりということができる可能性が高くなります。スポンサー契約料は、選手が強くなるための支援金ですね。

しかし、そのスポンサーを集めるためには、まずはいい結果を残して、世間に認めてもらわなければなりません。

ツアー大会の賞金

やはり、プロテニスプレーヤーの仕事は試合に出て勝つことです。長年、ATPシングルスの上位に居座るラファエル・ナダルやノバク・ジョコビッチは、年間の獲得賞金額は10億円以上です。

しかし、現在の実力や経歴、人気に関係なく、誰もが試合の獲得賞金は同じ。ですから、まずは大会に出場すること、さらに勝てば勝つほど、特に大きな大会で勝利するほど、賞金が多く手に入るのです。

実力プラス勝負は時の運もありますから、誰にでもチャンスはあります。グランドスラムのシングルス優勝賞金は、約2億8000万円から約4億3000万円。一回の優勝が、収入においても人気においても運命を変えると言っても過言ではないでしょう。

そして当然、毎回勝てるわけではありません。トップ20位以内に入れば年間で数億円は稼げますが、年収が数百万円単位の選手ももちろんいます。ツアー大会に出場するための移動費や滞在費だけでもかなりかかるので、必要経費を差し引くと、賞金だけで生計を立てるまでいかない人もたくさんいるのです。

フェデラーの例

10年以上、テニス界で収入トップを誇っているのがロジャー・フェデラーです。テニス界を飛び出して世界中に名を馳せるフェデラーですが、米経済誌のフォーブスによると、2020年版のスポーツ選手年収ランキングにおいて、スポーツ界全体で最も稼ぐアスリートとなったようです。

フェデラーのスポンサー企業はフェデラーの母国であるスイスの企業が多いですが、『メルセデスベンツ社』やスイスの『ロレックス』など高級品を扱う企業が名を連ねています。また錦織選手と同じく、ラケットはウィルソンと生涯契約を交わしています。契約料を明らかにしていない企業もありますが、それぞれ年間数億円のようです。

その中で、莫大な契約料を提供しているのが日本の『ユニクロ』です。2018年にフェデラーと10年間契約をしました。契約料は10年間で約340億円。契約期間内にフェデラーが引退しても、支払われるそうです。

試合の賞金とスポンサー契約料の他、さらにエキシビション大会への参加でも収入を得ているとのこと。

これらを合計した2019年のフェデラーの年収は、なんと約115億円。もはや大企業並みですが、それほどの価値がフェデラーにはあるという証拠でしょう。これまでの人気・実力・実績・貢献度・人格などを考えれば、破格の収入にも納得できますし、フェデラーがアスリートトップとなったのはテニスファンとしては嬉しいことですね。

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