テニスのマドリード オープンとは
目次
スペインで開かれるマドリードオープンは、マスターズ1000のクレーコートシーズンの2大会目となります。前身となる大会は1990年にスウェーデンのストックホルムで初開催されました。その後、ドイツの都市を経て、2002年からマドリードで開催されるようになります。
2002年から2008年までは「マドリード・アリーナ」で、2009年以降は「ラ・カハ・マヒカ」が会場となっています。開催地だけでなく、コートサーフェスも変更になっている大会です。会場変更に伴い、室内ハードコートからクレーコートになりました。
マドリードオープンの概要
5月初めにスペインで開かれるマドリードオープンは、男女共催の大会です。
開催地 | マドリード(スペイン) |
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会場 | ラ・カハ・マヒカ |
サーフェス | クレー |
開催時期 | 5月第2週 |
獲得ポイント | 1,000ポイント |
獲得賞金 | 総額:約654万ユーロ |
ドロー数 | シングルス:56、ダブルス:28 |
マドリードオープンの開催地/会場
マドリードオープンの開催地・マドリードは、スペインの首都です。歴史ある世界都市で、国際機関や観光名所がいくつもあります。交通網も発達しているので、市内観光やマドリードオープンの会場へも移動しやすいです。
夜のスペインといえばお酒と食事を楽しめる居酒屋的なお店「バル」で知られていますが、マドリードは特にバルが多い街で、スペインのおいしい食を気軽に楽しめます。またマドリードは、サッカーや闘牛名などスポーツも盛んな地域です。
夏は暑く、冬は寒いマドリードですが、マドリードオープンが行われる5月頃は過ごしやすいでしょう。雨が多い時期ですが、マドリードオープンのセンターコートと第2、第3コートは屋根付きなので安心です。
約12,500席のセンターコートと約3,000席の第2コートは指定席券が必要ですが、それ以外のコートは自由席で観戦できます。
マドリードオープンの開催時期
マドリードオープンは例年、5月初旬の日曜日に本戦が始まり、翌週の日曜日に決勝を迎えます。
マドリードオープンのサーフェス
マドリードオープンの前に行われるマスターズ1000のモンテカルロ・マスターズ、マドリードオープンの翌週にあるイタリア国際、そして全仏オープンの各コートと同じ「アンツーカー」という素材のクレーコートです。高温焼成したレンガなどを粉砕した赤土のコートは、滑りやすい、ボールが見えやすいといった特徴があります。
通常、ボールの跡がつくクレーコートではチャレンジシステムが採用されていませんが、マドリードオープンではクレーコート初の自動ライン判定技術が2020年より導入予定とされています。
マドリードオープンの獲得ポイント/獲得賞金
マドリードオープンで、優勝者・準優勝者が獲得できるポイントと賞金をご紹介します。
ATPツアー・マスターズ1000
ATPツアーの中で、マドリードオープンはマスターズ1000大会に含まれます。優勝者には1,000ポイント、準優勝者には600ポイントが付与されます。また、2019年大会での賞金は、優勝者が1,202,520ユーロ、準優勝者が608,700ユーロでした。
なお、マスターズ1000とは、男子プロテニス協会「ATP(Association of Tennis Professionals)」が運営する大会です。「グランドスラム」「ATPファイナルズ」に次ぐ格付けの重要な大会です。マスターズ1000は、年間9大会行われます。モンテカルロを除くマスターズ1000の大会は、上位30位以内の選手(コミットメントプレーヤー)に出場義務があります(条件を満たせば、出場義務が免除される)。
WTA プレミアトーナメント
WTAツアーの中で、マドリードオープンは「プレミア・マンダトリー」に含まれます。優勝者には1,000ポイント、準優勝者には650ポイントが付与されます。また、2019年大会での賞金は、優勝者が1,202,520ユーロ、準優勝者が608,700ユーロでした。
女子テニス協会「WTA(Women's Tennis Association)」が運営する大会のカテゴリーに「プレミアトーナメント」があります。その中でさらに、賞金額によってカテゴリーが3つに分かれています。
男子のATPツアー・マスターズ1000に相当するのが「プレミア・マンダトリー」で、年間4大会あります。4大会とも男女共催大会です。トップ10プレーヤーは、すべての大会に出場しなければなりません。
マドリードオープンのシングルス歴代優勝者
マドリードオープンの、過去10年の優勝者をご紹介します。
男子
- 2019年-ノバク・ジョコビッチ
- 2018年-アレクサンダー・ズべレフ
- 2017年-ラファエル・ナダル
- 2016年-ノバク・ジョコビッチ
- 2015年-アンディー・マレー
- 2014年-ラファエル・ナダル
- 2013年-ラファエル・ナダル
- 2012年-ロジャー・フェデラー
- 2011年-ノバク・ジョコビッチ
- 2010年-ラファエル・ナダル
女子
- 2019年-キキ・ベルテンス
- 2018年-ペトラ・クビトバ
- 2017年-シモナ・ハレプ
- 2016年-シモナ・ハレプ
- 2015年-ペトラ・クビトバ
- 2014年-マリア・シャラポワ
- 2013年-セリーナ・ウィリアムズ
- 2012年-セリーナ・ウィリアムズ
- 2011年-ペトラ・クビトバ
- 2010年-アラバン・レザイ
マドリードオープンの名場面
全仏オープンのように、クレーコートといえば「赤土」を連想するでしょう。マドリードオープンのコートも、全仏オープンと同じく「アンツーカー」という赤土が採用されています。
しかし、一度だけサーフェスの色が変わった年があったのです。クレーコートには違いないのですが、なんと、「青色」のクレーコート。
テレビ映えを意識した大会側が、2012年に青土(3コートのみ)のコートでマドリードオープンを開催しました。インパクトはあったのでしょうが、選手からは不評だったとのこと。
クレーコートはもともと滑りやすく、スライディングするプレーが見られますが、青土はさらに滑りやすかったようで、転倒する選手が続出。さらに、ボールのバウンドにもムラが出ることもあり、翌年にはまた赤土に戻りました。
青いコートは一年間の限定でした。特に、ナダルやジョコビッチからの不満が大きかったのですが、そんな中で優勝したのはフェデラーです。ナダルが「赤土の王者」なら、フェデラーは「幻の青土の王者」でしょうか。
また女子選手からも不満の声が挙がったのですが、優勝者はセリーナでした。長年、男子女子それぞれのテニス界を牽引する両選手の実力はさすがですね。