【テニス】ATPツアー・マスターズ1000とは

2020-12-16更新
12,274
監修
ゴンちゃん
テニスベア・アンバサダー
慶應義塾大学ではレギュラー2番手として、全日本学生テニス選手権大会や全日本大学対抗テニス王座決定試合で活躍。卒業後はYouTuberとして活躍し一躍有名に。2020年12月よりテニスベア・アンバサダーとしてテニスベアに参画。

プロのテニス選手は、ポイントを積み重ねてランキングを上げ、賞金を獲得していくことが使命です。ポイントと賞金は、大きな大会ほど多くもらえます。

ATPツアーとは

プロ選手はポイントと賞金獲得のために世界各地を転戦して、ひとつでも多く試合に出場し、勝利しなければなりません。男子選手は、男子プロテニス協会「ATP(Association of Tennis Professionals)」に加盟して試合に参加することになりますが、このATPが主催・管理している大会を「ATPツアー」と呼んでいます。

ATPツアーは年間で200以上も開催されています。冒頭で「大きな大会ほど」と言いましたが、獲得できるポイント数や賞金額によってグレード分けされているのです。

ATPツアー・マスターズ1000とは

ATPツアーでグレードが高いのは、言わずと知れた「グランドスラム」と呼ばれる4つの大会です。そして、グランドスラムの次に格付けされているのが、今回説明する「ATPマスターズ1000」という大会です。

大会によって差はありますが、マスターズ1000の賞金は、為替レートにもよりますが日本円に換算すると優勝者には1億円以上、準優勝だと5,000万円以上も出ます。

そしてポイント数はどの大会も同じく優勝すると1000ポイント、準優勝で600ポイントもらえます。つまり、「マスターズ1000」の「1000」とは、優勝者の獲得ポイント数を表しているのです。

マスターズ1000大会一覧

マスターズ1000は、年間で9大会あります。グランドスラムもそうですが、モンテカルロを除くマスターズ1000の大会は、上位30位以内の選手(コミットメントプレーヤー)は必ず出場しなければなりません(条件を満たせば、出場義務が免除される)。

BNPパリバ・オープン(インディアン・ウェルズ)

マスターズ1000は、3月上旬に開催される「BNPパリバ・オープン」からスタートします。アメリカのカリフォルニア州・インディアンウェルズで行われるので「インディアンウェルズ・マスターズ」とも呼ばれます。開催地は砂漠に囲まれており、雨の心配はほとんどありません。センターコートの収容人数は、約16,000人です。

1974年に第一回が開催されました。第5のグランドスラムとも言われるほど賞金総額もドロー数(試合数)も多く、重要な大会なので、有名選手がたくさん集まります。賞金総額は約10億円。コートサーフェスはハードです。

マイアミ・オープン

BNPパリバ・オープンに続いて3月下旬に行われる「マイアミ・オープン」。この大会もアメリカで開催されますが、BNPパリバ・オープンが西海岸なのに対して、マイアミ・オープンは南東部のフロリダ州です。

ディズニーリゾートやケネディ宇宙センターなど世界的テーマパークや施設が集まるリゾート観光地で、そんなフロリダの先端に位置しているのがマイアミです。2019年に会場が移転し、それまでよりも会場の規模が大きくなりました。センターコートは、約14,000席あります。

1985年から続く大会で、BNPパリバ・オープンと同等の賞金額です。ハードコートで行われます。

モンテカルロ・マスターズ

全仏オープンに向けたクレーシーズン最初のマスターズ1000が、「モンテカルロ・マスターズ」です。地中海に面した場所で4月中旬に行われます。

モナコの大会ではあるのですが、ややこしいことに開催地はモナコに隣接したフランス国内です。美しく豪華な会場で、青い地中海を望めます。テレビ中継でも、その美しさは伝わってきます。

1897年に始まった「モンテカルロテニス選手権」が前身となります。マスターズ1000の9大会のうち、唯一、出場義務が課せられていない大会です。賞金総額は、約6億7,600万円です。

ムチュア・マドリード・オープン

マスターズ1000のクレーコート2つ目の大会が、5月上旬にスペインのマドリードの南部で開催される「ムチュア・マドリード・オープン」です。マドリードは国土の真ん中に位置するスペインの首都で、会場まで便利に移動できます。センターコートは、約12,500席です。

スウェーデンやドイツの都市を経て、2002年からマドリードで開催されています。ハードからクレーと、コートサーフェスも変更になりました。賞金総額は、約8億4900万円です。

BNLイタリア国際(ローマ)

5月中旬の「BNLイタリア国際」は、全仏オープン直前の大会です。ローマで開催されるため「ローマ・マスターズ」とも呼ばれています。

会場のフォロ・イタリコはローマの北西部にあり、中心地から40分ほどです。センターコートには、約10,500人が入れます。

1936年から1949年は中止となりましたが、1930年から開催されている大会です。賞金総額は、約6億7,600万円。クレーコートで行われるマスターズ1000は、この大会で最後です。

ロジャーズ・カップ(トロント/モントリオール)

BNLイタリア国際が終わるとマスターズ1000は少し期間が空き、次は8月上旬の「ロジャーズ・カップ」です。

カナダで行われるのですが、開催都市がトロントとモントリオールで交互に変わります。男子ツアーがトロントで開催される年は女子ツアーがモントリオールで開かれ、翌年は入れ替わるという具合です。それぞれのセンターコートの座席数は、トロント会場が約12,500席、モントリオール会場が約12,000席です。

1881年に始まった歴史ある大会です。賞金総額は、約6億7800万円。ハードコートで行われます。

ウエスタン・アンド・サザン・オープン(シンシナティ)

全米オープンの前哨戦となる「ウエスタン・アンド・サザン・オープン」は、開催地にちなんで「シンシナティ・マスターズ」とも呼ばれています。8月中旬に、アメリカのオハイオ州で行われます。

アクセスが少し不便で大きい街ではありませんが、この期間は多くの人たちが押し寄せ、盛り上がります。選手も観客も満足度が高い大会のようです。センターコートは、約11,000席あります。

アメリカ国内では全米オープンに次ぐ古い大会で、第一回は1899年に行われました。賞金総額は、約7億2,000万円。コートサーフェスはハードです。

上海マスターズ

マスターズ1000は欧米中心で開催されますが、唯一、欧米以外の地であるのが中国の「上海マスターズ」です。シーズンも終盤の10月中旬、楽天ジャパン・オープンの翌週に行われます。

マスターズ1000の中では開催地日本からもっとも近い大会で、上海にある2つの空港には日本から直行便が飛んでいます。センターコートの収容人数は、約15,000人です。

上海マスターズは新しい大会で、2009年に始まりました。賞金総額は、約7億9,000万円です。ハードコートで行われます。

パリ・マスターズ

テニスシーズンの最後を飾るのが、フランスのパリで開催地される「パリ・マスターズ」です。10月末から11月上旬に開催されます。気温が下がる時期ですが、室内の大会なので、観戦中に天候に悩まされることはないでしょう。センターコートの収容人数は、約20,000人です。

第一回大会は1986年でした。賞金総額は、約6億3,000万円。コートは、室内ハードです。

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